キャリーケースのチャック式徹底解説|選び方から修理法まで

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空港でチャック式キャリーケースの前に立つ日本人カップル。ケースにはチャックとロック、そして内部ファスナーの疑問を示すアイコンが重ねられている

キャリーケースのチャックについて情報を探していませんか?

ファスナーとフレームどちらがいいかで悩んだり、海外旅行での防犯面で切られるのではないかと危ないと感じていたりするかもしれません。

また、いざ使おうとした時にチャックが開かない、荷物を詰めたら閉まらない、ファスナーが噛んだ外れたりして壊れた時の修理方法や緊急時の開け方について知りたい方も多いでしょう。

そもそもファスナーとロックの違いは何ですか?という基本的な疑問や、内側の生地にファスナーがあるのはなぜか、に濡れた時の防水性など、気になる点は多岐にわたります。

この記事では、チャック式キャリーケースのメリットデメリットから、万が一のトラブル対処法まで、あなたの全ての疑問に答えます。

この記事でわかること
  • チャック式とフレーム式の違いとそれぞれの特徴
  • チャック式キャリーケースのメリット・デメリットと防犯対策
  • ファスナーが壊れたり開かなくなったりした時の具体的な対処法
  • ご自身の旅行スタイルに合った最適なキャリーケースの選び方
目次

キャリーケースのチャック式を選ぶ際のポイント

  • ファスナーとフレームどちらがいいか比較
  • 知っておきたいメリットとデメリット
  • なぜ内装に謎のファスナーがあるのか
  • ファスナーとロックの違いは何ですか?
  • 海外旅行での防犯性と危ないと言われる理由

ファスナーとフレームどちらがいいか比較

キャリーケースを選ぶ際に、多くの人が最初に悩むのが開閉部分の仕様です。主流である「ファスナータイプ」と「フレームタイプ」には、それぞれ異なる特徴があり、どちらが良いかは一概には言えません。

ご自身の旅行スタイルや何を重視するかによって最適な選択は変わります。

結論から言うと、軽さや収納の柔軟性を求めるならファスナータイプ、頑丈さや防犯性を最優先するならフレームタイプがおすすめです。それぞれの特徴を理解し、自分に合った相棒を見つけましょう。

以下に、両者の違いを分かりやすく表にまとめました。

項目ファスナータイプフレームタイプ
特徴布製のファスナーで開閉。柔軟性があり、多機能なモデルが多い。金属製のフレームで開閉。頑丈で密閉性が高い。
重さ軽量なモデルが多い。金属フレームの分、重くなる傾向がある。
収納力容量を増やせる拡張機能付きのモデルが多い。柔軟性があるため多少荷物が多くても閉めやすい。容量は固定。ケースが変形しにくいため、規定容量以上の荷物は入らない。
衝撃への耐性ボディとファスナー部分の柔軟性で衝撃を吸収・分散させるため、ケース本体が割れにくい。衝撃を直接受けるため、強い衝撃でフレームが歪んだり、ボディが割れたりすることがある。
防犯性刃物で切られたり、ボールペンなどでこじ開けられたりするリスクがある。金属フレームのため、こじ開けに強く防犯性が高い。
防水性ファスナーの布地部分から水が浸み込む可能性があり、完全防水ではない。密閉性が高く、防水性に優れている。
価格帯比較的安価なモデルから高価なものまで幅広い。高価なモデルが多い傾向がある。
おすすめな人・荷物の重さを少しでも軽くしたい人

・お土産などで荷物が増える可能性がある人

・コストを抑えたい人
・PCや瓶類など壊れ物を入れたい人

・防犯性を最も重視する人

・悪天候での移動が想定される人

このように、どちらのタイプにも一長一短があります。次の見出しで、ファスナータイプのメリット・デメリットをさらに詳しく解説します。

知っておきたいメリットとデメリット

ファスナータイプのキャリーケースが現在主流となっているのには、多くの魅力的なメリットがあるからです。しかし、同時に知っておくべきデメリットも存在します。

両方を理解した上で選ぶことが、後悔しないための重要なポイントです。

ファスナータイプのメリット

ファスナータイプの最大のメリットは、その軽さと機能性の高さにあります。

  • 軽量性
    金属フレームがない分、製品全体が軽量に作られています。空港での重量制限をクリアしやすく、持ち運び時の負担も軽減されます。
  • 衝撃吸収性
    ボディと開閉部に柔軟性があるため、外部からの衝撃をうまく逃がしてくれます。これにより、フレームタイプに比べてスーツケース本体が破損しにくいという利点があります。
  • 拡張(エキスパンダブル)機能
    多くのファスナータイプには、マチを広げて収納容量を増やせる拡張機能が搭載されています。旅先でお土産を買いすぎて荷物が増えても安心です。
  • 荷物の出し入れが容易
    ファスナーを少し開けるだけで中の物を取り出せるため、空港や駅などの狭いスペースでも荷物の出し入れがしやすいです。
  • デザイン・価格の豊富さ
    現在最も普及しているタイプであるため、デザインやカラーバリエーションが豊富で、価格帯も幅広く、選択肢が多いのが魅力です。

ファスナータイプのデメリット

ホテルの部屋で、中身が濡れて水が漏れているキャリーケースを見つめ、困惑した表情を浮かべる日本人女性。彼女の頭上には、ボールペンでファスナーをこじ開ける「ボールペンピッキング」の危険性を示す吹き出しが描かれている。

一方で、ファスナータイプには防犯面や耐久性に関する注意点があります。

防犯面での脆弱性
ファスナー部分は刃物で切られてしまう可能性があります。また、後述しますが、特殊な道具を使わずとも簡単にこじ開けられる危険性も指摘されています。

防水性の限界
ファスナーの布地部分や縫い目から雨水が浸み込む可能性があります。止水ファスナーを採用したモデルもありますが、完全防水ではないため、大雨の際には注意が必要です。

荷物への衝撃
ケース本体は壊れにくい反面、吸収した衝撃が中の荷物に伝わりやすいという側面もあります。パソコンや瓶類などの壊れやすい物を入れる際は、緩衝材でしっかり保護する必要があります。

これらのデメリットを理解し、対策を講じることで、ファスナータイプの利便性を最大限に活かすことができます。

なぜ内装に謎のファスナーがあるのか

作業台の上で青いキャリーケースの修理を行う日本人男性と、タブレットで資料を確認する日本人女性。男性はキャリーケースの内装にあるメンテナンス用ファスナーを開け、キャスター部分を修理している。工具箱も横に置かれている。

新しく購入したスーツケースの内装を見て、「持ち手(スライダー)のないファスナーが付いているけれど、これは不良品?」と疑問に思ったことはありませんか。実はこれ、不良品ではなく「メンテナンス用」のファスナーです。

このファスナーは、キャスターやハンドル、台座などのパーツが破損した際に、修理業者が内装生地を剥がさずに、スムーズに部品交換を行うために設けられています。

昔のスーツケース修理は大変だった

かつて、スーツケースの内装はボディに全面的に接着されていました。そのため、キャスターを一つ交換するだけでも、内装を慎重に剥がし、修理後に再度接着するという非常に手間のかかる作業が必要だったのです。

メンテナンス用ファスナーの登場により、修理が格段に簡単かつ迅速になり、修理費用も抑えられるようになりました。

このファスナーは修理担当者が使用するためのものなので、私たちが普段荷物を入れるために開ける必要はありません。

むしろ、誤ってこのスペースに小物を入れてしまうと、キャリーハンドルの伸縮部分などに挟まり、故障の原因になる可能性もあります。持ち手が付いていないのは、普段は開閉しないようにというメーカー側の配慮なのです。

ファスナーとロックの違いは何ですか?

キャリーケースのセキュリティについて考えるとき、「ファスナー」と「ロック」という言葉が出てきますが、この二つの役割は全く異なります。混同しないように、それぞれの役割を正確に理解しておきましょう。

  • ファスナー(ジッパー):キャリーケースの開閉を行うための装置です。
  • ロック(鍵):閉じたファスナーが開かないように施錠・固定するための装置です。

つまり、ファスナーはドアそのものであり、ロックはドアにかける鍵と考えると分かりやすいです。ファスナーがなければケースを閉じることすらできませんし、ロックがなければ誰でも簡単に開けられてしまいます。

両方が揃って初めて、キャリーケースは荷物を安全に運ぶという役割を果たせるのです。

ロックの種類について

ロックにはいくつかの種類がありますが、現在主流となっているのが「TSAロック」です。

これはアメリカ運輸保安局(TSA)によって認可されたロックシステムのことで、アメリカの空港(ハワイ、グアム、サイパン等含む)では、職員がテロ対策の荷物検査のために、施錠されたスーツケースを破壊して開けることが許可されています。

しかし、TSAロックであれば、職員が特殊なマスターキーを使って解錠・検査し、再び施錠してくれるため、鍵を壊される心配がありません。アメリカへの旅行を計画している方は、TSAロック搭載モデルを選ぶのが必須と言えるでしょう。

海外旅行での防犯性と危ないと言われる理由

 空港のチェックインロビーで、黒いキャリーケースにスーツケースベルトを巻き、不安そうな表情で周囲を見渡す日本人女性。彼女の頭上には、ファスナーがボールペンでこじ開けられるイラストと、ハサミで切られるイラストが描かれ、ファスナータイプの防犯上の脆弱性を示唆している。

「ファスナータイプのキャリーケースは危ない」という話を聞いたことがあるかもしれません。これは、特に海外旅行において注意すべき防犯性の問題に起因します。

最も大きな理由は、ファスナー部分がボールペンなどの先の尖ったもので簡単にこじ開けられてしまう脆弱性がある点です。

これは「ボールペンピッキング」とも呼ばれ、ファスナーのエレメント(歯)の間にペン先を突き刺してこじ開ける手口です。

驚くべきことに、一度開けられても、スライダーを往復させると元通りに閉まってしまうため、盗難に遭ったことに気づきにくいという非常に悪質な特徴があります。

貴重品をスーツケースに入れないのは基本ですが、この手口の本当に恐ろしい点は、荷物を盗まれることだけではありません。

それは、自分の知らないうちに違法な薬物などを入れられ、「運び屋」に仕立て上げられてしまうリスクです。

こうした危険から身を守るために、以下のような対策が有効です。

ファスナータイプの防犯対策

  • 防犯性能の高いファスナーを選ぶ
    YKK社が開発した「不正開閉防止ファスナー」など、二重構造になっていて簡単にはこじ開けられない対策済みのファスナーを採用したモデルを選びましょう。
  • スーツケースベルトを巻く
    ベルトを巻いておくことで、物理的にファスナーをこじ開けにくくする効果があります。また、「対策している」とアピールすることで、窃盗犯に狙われにくくなる抑止力も期待できます。
  • 空港のラッピングサービスを利用する
    空港によっては、スーツケース全体を専用フィルムで梱包してくれるサービスがあります。物理的にファスナーに触れなくなり、非常に高い防犯効果があります。

海外の治安は日本と同じではありません。ファスナータイプの利便性を享受しつつ、これらの防犯対策を徹底することが、安全で楽しい旅行のために不可欠です。

キャリーケースのチャックが壊れた時の対処法

  • チャックが壊れた時の修理方法
  • ファスナーが噛んだり外れた時の直し方
  • チャックが開かない、閉まらない時の開け方
  • チャックは雨で濡れる?防水性は大丈夫か
  • チャックが切られる危険性とロックの重要性
  • 用途に合うキャリーケースチャックの選び方

チャックが壊れた時の修理方法

空港の荷物受取所で、開いたままのチャックが壊れた黒いキャリーケースを前に途方に暮れる日本人男性。彼の後ろには、手荷物事故報告書を記入している空港職員の日本人女性が見える。

旅行中や出発前にキャリーケースのチャックが壊れてしまうと、非常に焦りますよね。破損の状況によっては応急処置で乗り切れる場合もありますが、専門家による修理が必要なケースもあります。まずは落ち着いて状況を確認しましょう。

破損の状況と対処法

  • 引き手(スライダー)が取れた
    引き手部分だけが取れた場合、残った金具にキーホルダーや紐、クリップなどを通せば、応急的に開閉できることがあります。旅行から帰宅後、修理に出すか、自分で交換パーツを取り寄せて修理することも可能です。
  • ファスナーのエレメント(歯)が欠けた
    エレメントが数カ所欠けてしまうと、そこからファスナーが裂けてしまうため、修理が必要です。専門の修理業者に依頼し、ファスナー全体の交換を検討しましょう。
  • 生地が破れた・縫い目がほつれた
    ファスナーが縫い付けられている本体生地が破れてしまった場合も、自分で完全に修理するのは困難です。これも専門業者に相談するのが最善です。

空港で壊れた場合は航空会社に補償を請求

空港で預けた荷物を受け取った際にスーツケースが破損していた場合、それは航空会社の責任である可能性が高いです。

その場で空港を出る前に、必ず利用した航空会社のカウンターに申し出て、「手荷物事故報告書」を作成してもらいましょう。

現物の写真や破損箇所の写真を撮っておくことも重要です。多くの場合、修理代金の補償や、同等品との交換といった対応をしてもらえます。

自分で修理するか、業者に依頼するか、あるいは新しいものを購入するかの判断は、スーツケースの使用年数や価格、破損の程度によって変わってきます。修理の見積もりを取ってから判断するのも一つの手です。

ファスナーが噛んだり外れた時の直し方

ファスナーの故障でよくあるのが、「布を噛んで動かなくなった」「エレメントがうまく噛み合わず外れてしまった」というトラブルです。これらは多くの場合、慌てず丁寧に対処すれば自分で直せる可能性があります。

布を噛んでしまった場合

最も多いトラブルの一つです。内側の生地などを噛んでしまった場合、絶対に力ずくで引っ張ってはいけません。生地がさらに深く食い込み、破れてしまう原因になります。

  1. まずはスライダーを少しだけ逆方向に戻し、食い込みを緩めます。
  2. 噛んでいる布を、指やマイナスドライバーの先などで、優しくスライダーから引き離すように押し出します。
  3. 布を引っ張りながら、ゆっくりとスライダーを動かしてみてください。

焦らず、少しずつ布を解放していくのがコツです。

エレメントが外れた(開いてしまった)場合

荷物の詰めすぎなどが原因で、閉じたはずのファスナーのエレメントが開いてしまうことがあります。これはスライダー内部の隙間が広がってしまい、エレメントを正しく噛み合わせる力が弱まっていることが原因です。

応急処置として、ペンチやプライヤーを使ってスライダー本体を優しく挟み、隙間を狭めることで改善する場合があります。

ただし、力を入れすぎるとスライダーが破損してしまうため、細心の注意が必要です。何度か試しても直らない場合は、スライダー自体の交換が必要になるため、修理に出すことをお勧めします。

チャックが開かない、閉まらない時の開け方

自宅の居間で、詰めすぎた荷物でファスナーが閉まらなくなったターコイズ色のキャリーケースと格闘する日本人男性。彼はロウソクのロウをファスナーに擦りつけ、滑りを良くしようと試みている。

キャリーケースのチャックが開かない、あるいは閉まらないといったトラブルも焦りの原因になります。原因はいくつか考えられますので、状況に合わせて対処しましょう。

原因1:荷物の詰めすぎ

最も単純かつ多い原因です。特に閉まらない場合は、一度荷物を全て取り出し、量を減らすか、詰め方を工夫してみましょう。上から無理に体重をかけて閉めようとすると、ファスナーに過度な負担がかかり、破損の原因となります。

原因2:ロックの問題

開かない場合、ロックに問題がある可能性があります。

  • ダイヤル番号を忘れた
    設定した番号を忘れてしまった場合、残念ながら「000」から「999」まで順番に試していくのが確実な方法です。時間はかかりますが、多くの場合これで解決します。
  • 鍵穴の塩分固着など
    長期間使用していなかったり、海辺で使ったりすると、鍵穴や内部に塩分やホコリが詰まり、動きが渋くなることがあります。鍵穴専用のスプレーなどを使うと改善することがあります。

原因3:ファスナー自体の歪みや固着

長年の使用でファスナーレールが歪んだり、汚れで動きが固くなったりすることもあります。

この場合、ロウソクのロウや鉛筆の芯(黒鉛)をエレメントに軽くこすりつけると、滑りが良くなりスムーズに動くことがあります。試す際は、荷物に汚れがつかないよう注意してください。

どうしても開かない場合、最終手段としてファスナーを壊して開けるしかありません。しかし、その場合は当然、その後そのキャリーケースは使用できなくなるため、実行する前によく考える必要があります。

チャックは雨で濡れる?防水性は大丈夫か

ファスナータイプのキャリーケースを選ぶ上で、気になるのが防水性です。結論から言うと、ほとんどのファスナータイプは完全防水ではありません。

スーツケースのボディ自体はポリカーボネートなどの防水性の高い素材で作られていますが、問題は開閉部分のファスナーです。

ファスナーは布製のテープにエレメント(歯)が付いている構造のため、布地部分や縫い目から雨水が浸み込んでしまう可能性があります。

最近では、ファスナー部分に特殊なフィルムをラミネートした「止水ファスナー」を採用し、防水性を高めたモデルも増えています。

しかし、これもあくまで水の侵入を「防ぎやすくする」ものであり、豪雨の中を長時間移動したり、水たまりに浸かったりすれば、浸水のリスクはゼロではありません。

雨から荷物を守るための対策

  • レインカバーを利用する
    最も確実な方法です。キャリーケース専用のレインカバーを被せることで、雨水の侵入を大幅に防ぐことができます。
  • 防水スプレーを吹きかける
    出発前に、ファスナー部分を中心に衣類用の防水スプレーをかけておくと、撥水効果で水を弾き、浸水を軽減できます。
  • 濡れては困るものは袋に入れる
    パソコンやカメラなどの電子機器、書類、着替えなどは、ビニール袋や防水機能のあるスタッフバッグに入れてから収納する習慣をつけましょう。これは万が一の浸水に備える最も基本的な対策です。

少しの雨であれば過度に心配する必要はありませんが、悪天候が予想される旅行では、これらの対策を講じておくと安心です。

チャックが切られる危険性とロックの重要性

ファスナータイプの防犯性を考える上で、「ボールペンピッキング」と並んで懸念されるのが、カッターナイフなどの刃物でファスナー部分を切られてしまうという物理的な破壊のリスクです。

確かに、布製のファスナーは金属製のフレームに比べて物理的な強度は劣り、鋭利な刃物で意図的に切り裂かれれば、破壊されてしまいます。この点だけを見れば、フレームタイプに軍配が上がるのは事実です。

しかし、窃盗犯の視点で考えると、空港や駅などの人目のある場所で、スーツケースを刃物で切り裂くという行為は非常に目立ち、リスクが高い行為です。

そのため、多くの窃盗犯は、より短時間で目立たずに行えるスリや置き引き、あるいは前述のボールペンピッキングのような手口を選ぶ傾向があります。

それでもロックが重要な理由

「どうせ切られるならロックをしても無駄」と考えるのは早計です。ロックをしっかりかけておくことには、以下のような重要な意味があります。

  • 盗難の抑止力
    施錠されているスーツケースとされていないスーツケースがあれば、窃盗犯は後者を狙います。ロックは「この所有者は防犯意識が高い」という意思表示となり、狙われにくくする効果があります。
  • 偶発的な開放を防ぐ
    空港で手荒に扱われたり、何かに引っかかったりした際に、ファスナーのスライダーが動いて意図せずケースが開いてしまうのを防ぎます。ロックは、盗難だけでなく、荷物の飛散を防ぐためにも不可欠です。
  • 保険適用の条件
    海外旅行保険の中には、盗難被害に遭った際の補償条件として「施錠されていたこと」を挙げている場合があります。万が一の際に適切な補償を受けるためにも、施錠は必須です。

どのようなタイプのスーツケースであっても、ロックをかけることは防犯の基本中の基本です。

ファスナータイプのリスクを理解した上で、ロックやスーツケースベルトなどを活用し、総合的にセキュリティレベルを高めることが大切です。

用途に合うキャリーケースチャックの選び方

この記事では、キャリーケースのチャック(ファスナー)タイプについて、その特徴からトラブル対処法まで幅広く解説してきました。最後に、ここまでの内容をまとめた、あなたに最適な一品を選ぶためのチェックリストをご紹介します。

  • 軽さと持ち運びやすさを最優先するならファスナータイプが最適
  • 旅先で荷物が増える可能性があるなら拡張機能付きのモデルが便利
  • 頑丈さと防犯性を重視するならフレームタイプも選択肢に入れる
  • ファスナータイプのメリットは軽量性、柔軟性、機能性の高さ
  • デメリットは防犯面の脆弱性と完全防水ではない点
  • 内装にある持ち手のないファスナーは修理のためのメンテナンス用
  • ファスナーは開閉装置、ロックは施錠装置であり役割が異なる
  • 海外旅行、特にアメリカ方面へ行くならTSAロックは必須
  • ボールペンでこじ開けられるリスクを理解し対策を講じる
  • 対策として防犯性能の高い二重ファスナーやスーツケースベルトが有効
  • チャックが壊れた際は破損状況に応じて修理か応急処置かを判断
  • 空港での破損はすぐに航空会社カウンターへ申告する
  • 布を噛んだら無理に引かず、優しく取り除く
  • 雨対策としてレインカバーや防水スプレーを活用する
  • ロックをかけることは盗難防止と荷物の飛散防止に不可欠
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この記事を書いた人

はじめまして、あつしです。「なんとなくで選んで後悔してほしくない!」という想いで、元販売員の知識と経験をこのブログに詰め込みました。

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